ただ、セブンの紅茶は受け止めによっては、今後の紅茶市場も変わるかもしれない。
セブンカフェ ティーはただ単にティーバッグにお湯を注ぐのではなく、機械を使いながらも、実際に人が入れるのと同じような工程で抽出される。より本格的な味わいを楽しむことができ、紅茶好きの中でも評価が高い。もしかすると、セブンの紅茶を飲んだ人が「紅茶ってこんなにおいしいんだ」と気付き、スタバやタリーズなどで紅茶を買うきっかけになるかもしれない。
これまで発掘されていなかった「紅茶」の需要を、セブンが広げることも考えられるのだ。
セブンが2013年からレジ横で提供したコーヒーは、「コンビニコーヒー」という一大ジャンルを築き、既存市場を拡大して、コーヒーをより一般的なものに押し上げた。
潜在的に市場の小さいティーにおいては、「戦争」よりも「協力」によって、市場を拡大していくことが重要だと思われる。その意味で、セブンの紅茶がどのように受け入れられていくかは、今後の紅茶市場を見る上で非常におもしろい視点を提供してくれている。
セブンの紅茶販売が拡大するのは2025年度の下半期から。いったいどのような展開を迎えるのか、楽しみでならない。
都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。チェーンストアやテーマパーク、都市再開発などの「現在の都市」をテーマとした記事・取材などを精力的に行う。「いま」からのアプローチだけでなく、「むかし」も踏まえた都市の考察・批評に定評がある。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』他。現在、東洋経済オンラインや現代ビジネスなど、さまざまなメディア・雑誌にて記事・取材を手掛ける。講演やメディア露出も多く、メディア出演に「めざまし8」(フジテレビ)や「Abema Prime」(Abema TV)、「STEP ONE」(J-WAVE)がある。また、文芸評論家の三宅香帆とのポッドキャスト「こんな本、どうですか?」はMBSラジオポッドキャストにて配信されている。
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