本連載は、国際情勢やビジネス動向を深掘り、グローバルな課題とそれが企業に与える影響を分析する。米中関係やテクノロジー業界の変動、地政学的リスクに焦点を当て、複雑な要素を多角的に捉えながら、現代社会の重要な問題を分析。読者にとって成功への洞察を提供していく。
米国のトランプ関税が世界を揺るがしている。
2024年の米大統領選の公約から、ドナルド・トランプ氏は、米国の貿易赤字を減らし、減税などで経済を「再び偉大にする」と主張してきた。そして大統領に就任した1月20日から、次々と容赦ない関税措置を打ち出してきた。
特に打撃を受けているのが中国なのは間違いない。中国は現在、自国が「いじめられている」と主張し、米国の経済的「攻撃」に対して報復関税で対抗している形だが、それが混乱を大きくしつつある。
この米中の関税戦争はどこに向かうのか。現在、米国側の対中国の関税はひとまず小休止だといわれており、ボールは中国側にある状況だ。今、中国は情報工作などで世界に揺さぶりもかけている。このままいくと、日本にも大きな影響を与えかねない状況だ。
まず、ここまでの流れを時系列で簡単に振り返りたい。トランプ政権は2月1日、隣国のカナダとメキシコに25%、中国からの全ての輸入品に10%の関税を課す大統領令に署名した。すると、中国はその関税措置がWTO(世界貿易機関)のルールに違反しているとして提訴。さらに報復として米国のエネルギーや大型自動車などに10〜15%の関税を課すと発表した。
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