これを受けてトランプ政権は、石破茂首相との首脳会談後の2月10日、全ての国を対象として、鉄鋼・アルミニウムの輸入品に25%の関税を課すと発表。翌月の3月4日には、中国に対してさらなる10%の追加関税が発表された。
すると中国は、米国の農作物に対する10〜15%の報復関税を発表。対するトランプ政権は自動車に25%の関税を課すことを明らかにし、中国は新たな報復としてエネルギーや小麦などに25%の関税を課した。
米国からの関税攻勢はここで終わらない。トランプ政権は4月2日には「解放の日」と宣言して、全世界に「相互関税」を発表。一律10%の関税に、国ごとに独自計算した関税を加えた。
ただ相互関税については、発表直後から仕掛け人の一人であるスコット・ベッセント財務長官が米メディアに次々と登場し、「全ての国にアドバイスしたいのは、報復しないことだ。落ち着いて、事態を静観し、どうなるか見守るべきだ。報復すれば、事態はエスカレートする。報復しなければ、これが最も高い関税ということになる」と何度も発言していた。
もちろん、中国が黙っていないのも織り込み済みで、あおっていたと見られている。見事に中国は、4月4日に報復関税を発表し、米国からの全ての輸入品に34%の関税を課すことになった。米国の独断的で戦略的な関税攻勢にまんまと引っかかったと言える。
というのも、トランプ大統領と彼の経済参謀らは、ベッセント財務長官、ピーター・ナバロ大統領上級顧問、ジェミソン・グリア通商代表部(USTR)代表、ハワード・ラトニック商務長官という、そろいもそろって、まれに見る対中国強硬派の面々だからだ。彼らのこれまでの言動を見ていると、中国が餌に食いつくのを待っていたと言っても過言ではない。
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