本連載は、国際情勢やビジネス動向を深掘り、グローバルな課題とそれが企業に与える影響を分析する。米中関係やテクノロジー業界の変動、地政学的リスクに焦点を当て、複雑な要素を多角的に捉えながら、現代社会の重要な問題を分析。読者にとって成功への洞察を提供していく。
1月19日、米国で中国の動画アプリ「TikTok」の利用禁止措置が大きな物議を醸した。米国では1億5000万人が利用している人気アプリで、若者を中心に世界でも10億人が使っているとされる。日本のユーザー数も2700万人ほどだ。
そんな人気アプリが米国で禁止になったことは、米中摩擦にからんで国際問題化している。その行方について、世界中でニュースとして大々的に報じられている。
米国で禁止措置となったTikTokはどうなるのだろうか――。今後の動向について深掘りしてみたい。
まず最新の動きでは、1月20日に就任したドナルド・トランプ大統領が就任初日に大統領令を発表し、ひとまず、米国における利用禁止措置は一時停止になる救済措置が取られることになった。これによって米国では引き続きTikTokを利用できるようになったが、ただこれは一時的な措置に過ぎない。
今後この話題がどう展開していくのかを考察する前に、米国のTikTokを巡るこれまでの流れをおさらいする。
まずTikTokは、中国企業であるバイトダンスによって、2016年にサービスが始まった。スマホを使って動画撮影・投稿ができるもので、若者からの絶大な人気を誇ってきた。
米国におけるアプリ名はTikTokだが、中国では「抖音(ドウイン)」という名前で、中国版がオリジナルだ。
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