このように見ていると、中国にとって今回の関税戦争は難しい戦いであると言わざるを得ない。中国の経済は国内の不動産と輸出に頼っているが、不動産バブルは崩壊し、輸出も振るわない。ここにきて、全体の14.6%を占める米国市場への輸出が滞ることになれば、その影響は甚大である。
ただ中国は、第1次トランプ政権で課された関税が、バイデン政権時も引き継がれ、トランプ再任でさらに追加されるのは分かっており、それに向けて準備してきた。米国以外の国に貿易の幅を広げたり、交渉でくみしやすく、訪問要請などにすぐに乗ってくる日本政府関係者らに擦り寄ったりしてきた。
それでも今回の関税の動きには動揺を隠せないようで、なりふり構わず「情報工作」まで行っている。
中国企業は現在、TikTokなどの動画によって、欧州の高級ブランドへ徹底攻撃を始めている。高価格で売られているブランド品の80%以上は中国でしか作れない、と動画などで吹聴し、欧州では包装しかしていないと主張。
関税によってこうしたブランド品もさらに高くなり、手に入らなくなるとでも言いたいのだろうか。とにかく、このような「多くの欧米製品は中国が作っている」という動画が突然、大量にばらまかれている。
たちが悪いのは、動画の中で「私たちの工場で作っている」と主張している中国人がうそをついていることだ。ブランド側が「動画で出てくる工場とはビジネスをしていない」と発表する事態になっている。
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