「Zone3」では、NTTが「アナザーミー(Another Me)」と呼ぶデジタル世界での新たな自分との出会いを提供する。来場者一人ひとりを撮影し、デジタルヒューマンを生成。その分身が表情を動かし、最終的には声を発するまでの体験を実現した。撮影したデータは、演出終了後に削除するとしている。
これは、IOWNが実現する未来の社会で、現実と仮想空間がひとつになる様子を体験できる展示だ。自分自身の可能性が拡張され、新たな「私」と出会い、そして新たな「私たち」が出会うことで生まれる未来社会の姿を提示している。
NTTパビリオンは、「感情をまとう建築」というコンセプトで設計している。パビリオンを覆う膜状の構造物は、来場者の感情に反応して動く仕掛けが施されている。
Zone2に設置したカメラが来場者の笑顔を捉え、その映像データをIOWNでNTT西日本の本社(大阪市)に送信。そこで「IOWN光コンピューティング」による分析結果がパビリオンに送られると、建物を覆う膜が動き出す仕組みだ。
この技術の背景には、増大するデータ量と消費電力問題の解決という社会課題がある。AIの発展により電力消費が急増する中、IOWNのキーテクノロジーである「光電融合デバイス」により、従来のネットワークやサーバーで行われていた「光から電気へ」の変換を「光から光へ」直接つなぐことで消費電力の削減を目指している。
今回の実装では、従来比で消費電力を8分の1に抑えた。2030年代には消費電力を100分の1にする目標を掲げており、テクノロジーの発展と持続可能な社会の両立という、IOWNの本質的な価値を体現した展示となっている。
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