万博で話題「月の石」はどうやって持ち帰ったの? 知られざるカバンの正体週末に「へえ」な話(1/3 ページ)

» 2025年04月20日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 5時間待ち――。1970年の大阪万博で話題になった「月の石」を見るために、多くの人が米国館に押し寄せた。

 「なんとなく記憶に残っているよ」「その話聞いたことがあるなあ」といった人も多いかもしれないが、4月13日に開幕した大阪・関西万博では、反響はどうなのか。

 いまのところ「最長2時間待ち」だそうだが、ゴールデンウィークや夏休みなどに向けて、盛り上がりが広がれば、3時間、4時間……いや、ひょっとしたら5時間待ちの日も出てくるかもしれない。

東ゲートから入って、大屋根リングをくぐり抜けると、米国館が見えてくる(撮影:編集部、以下同)
米国館の特徴は、没入型展示エリアが5つあること

 というのも、大阪万博で目玉のひとつだった「月の石」が、55年ぶりに大阪に帰ってきたからである。「いやいやいや、今回の万博では目玉にならないでしょ。時代が違いすぎる」といった声が飛んできそうだが、今回のコラムは「月の石」にスポットを当てたいと思う。

 ……と、その前に、米国のパビリオンがどんなところなのか、簡単に紹介しよう。外観は三角形の建物2棟と、立方体の建物が浮かぶように配置されている。2棟の側面には、大型のLEDスクリーンがどーんと設置されていて、米国の名所などが映し出されている。

スクリーンに大谷選手が登場する(出典:大阪・関西万博、以下同)

 パビリオンの中に入ると、星形のマスコット「スパーク」が出迎えてくれる。5つの展示ゾーンを30分ほどかけてめぐるわけだが、ちょっとだけネタばらしをすると、メジャーリーグの大谷翔平も登場する。とはいっても、もちろん映像のみで、55年前の万博を経験した人からは「まさか、今回の米国館で、日本人が活躍する姿を見られるなんて」と感慨にふけるかもしれない。

高さ9メートルのスクリーンにロケットの映像が映し出される

 パビリオンの中で最もびっくりしたのは、高さ9メートルのスクリーンである。NASAのロケット打ち上げの映像が大型LEDに映し出されると、床が「ガタガタガタ」と揺れ、大音響が響き渡る。そして、ロケットは打ち上げられて、宇宙に飛んでいく。あまりの迫力に、隣にいたメディア関係者も、思わず「うわっ」と声を上げるほどだった。

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