長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
ワタミの子会社、WATAMI FAST CASUAL MANAGEMENTが経営する「サブウェイ(SUBWAY)」の新しいモデル店舗、ヨコハマベイサイド本店(横浜市)が4月10日にオープンした。同店では人手不足を解消するために、スポットワーカー派遣の「タイミー」と提携。店長とごく少数の社員以外は従業員全員スキマバイトという、ユニークな働き方を採用した、実験的な店舗となっている。4月24日には、さらに進んで店長と社員もタイミーからの派遣という“フルタイミー”の店として、新宿西口ハルク店(東京都新宿区、テークアウト専門店)をオープンした。
ヨコハマベイサイド本店は、2024年10月にワタミがサブウェイ国内事業のマスターフランチャイズ契約を締結した後に出店した、ワタミの商品開発・店舗開発のノウハウと、サブウェイの文化を融合した初の“ワタミモデル”店舗である。
新商品として、焼肉や居酒屋のノウハウを生かした、牛カルビやシーフードグラタンのサンドイッチに加え、自社農園「ワタミファーム」のレタスを生かしたラップを提案。コーヒーも、サンドイッチに合う商品として全面的にリニューアルした。店内の空間も、米国などで採用している最新のデザインを採用して、居住性を高めた。
「コーヒー1杯を飲みにでも気軽に立ち寄ってもらえれば」と、ワタミの渡邉美樹会長は話す。サブウェイを「スターバックス」にも負けないサードプレイスになるようにブランディングを行い、現在の国内約180店から、1000店を目指す予定だ。
サブウェイ日本法人は、ワタミがM&Aで取得する前から好調が続いており、この4月まで54カ月連続で、既存店売上が前年同月比プラスとなっている。しかし、課題は山積状態だ。まず、ランチはどの店も行列ができているが、ディナーは空いている。加えて、野菜が売りといわれながら、それがイマイチ、アピールできていないという声も聞く。これはワタミにもいえることで、日本最大級の有機農業事業者であるのに、知らない人が多い。
メニュー面では、コーヒーの味に課題がある。イートインの雰囲気が落ち着かず、居心地が悪い――こういった問題を洗い出して改善を図った旗艦店が、ヨコハマベイサイド本店である。
見かける機会が増えた「バインミー」専門店 サブウェイの教訓を乗り越え、日本人の日常に溶け込めるのか
サブウェイは「病み上がり」のワタミを救えるか 成功のカギは2つCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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