さて、このように「日本が誇るスター」が次々と中国企業の「顔」として起用されている現実を前にして、ビジネスパーソンは、きっとこんな違和感を覚えるのではないか。
「知名度アップのために有名人を起用するのは分かるけれど、ずいぶん露骨に国民的スターを選ぶんだな」――。キムタク、長澤さんは他にも多くの広告に出演する人気者。羽生さんは金メダリスト、横浜さんは大河ドラマの主演俳優であり、いずれも国民的な知名度を誇っている。皆さん国内外で高い人気を誇るスターなのだ。
中国に良い印象がない方は「技術がないからカネにものを言わせて、国民的スターの人気に便乗しているだけだろ」と批判的に見るかもしれないが、そういう考えは古い。
中国企業の製品をイデオロギー抜きに客観的に見ると、技術力や品質は日本製と遜色がなくなっている。むしろ、以下の記事を読めば分かるように、BYDなどは日本勢をすでに追い抜いているのだ。
しかし、どんなに性能や品質が良くなったところで、日本の消費者の中には「中国ブランド」に強烈な拒否反応を示す人も少なくない。「安全保障」の観点で中国製品を排除しようとする人もいる。
そこで、日本の国民的スターを広告に起用することで日本人の“中国アレルギー”を和らげようとしているのではないか。
「そう簡単に中国ブランドのイメージが上がるわけがない」と冷笑する人も多いだろうが、この広告戦略は意外とうまくいってしまうかもしれない。
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