ガル・ガドットはイスラエル出身ということで「パレスチナ問題」への言及でたびたび炎上することはあったが、『ジャスティス・リーグ』や『ワイルド・スピード』シリーズなどの大作に次々と出演してキャリアを築いていった。2025年3月にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームを授与され、イスラエル俳優として初めて「ハリウッド殿堂入り」を果たした。
つまり、ファーウェイのCMに出演しようが、BYDのCMに出演しようが、映画俳優として良いキャリアを築いていれば、誰も文句を言わないのがハリウッドなのだ。
「あいつは10年前に中国企業のCMに出ていたからやっつけろ」とか「あの女は不倫疑惑があるのでCMから降板させるように不買だ!」みたいにいちいち大騒ぎになるのは、広告ビジネスとショービジネスが一体化し過ぎた日本特有の現象だ。
いずれにせよ、「スキャンダルのリスクがあるので、もはや芸能人をCMに起用する時代ではない」という考えが、日本企業の間で広がっている。一方で、日本市場に進出する中国企業は、これとは正反対の戦略をとっていて、有名人を積極的にCMに起用している。この違いは、とても興味深い。
国民的スターのCMやブランドアンバサダー起用は、このまま一部の日本人の「中国アレルギー」を中和させることができるのか。それとも日中関係の悪化などで中国ブランドのイメージも低下、国民的スターも炎上してしまうのか――。
ナショナリズムのバイアスがかかるという意味では、外国企業のブランド戦略はかなり難しい。日本企業にとっても頭の痛い問題だ。
中国企業のブランド戦略から学べることは多い。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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