現在、沖縄と東北でオープン予定の数件のホテルから「導入したい」との依頼があり、特注で設計して対応予定だという。
「まだ商談中ですが、気流デバイス単体の販売ではなく、各部屋のエアコンなど空調機器もまとめて販売して利益につなげる予定です。気流デバイスは室内の空調設備と干渉しないよう個別に設計しなければならず、広く普及させる家電を得意とする当社にとってはハードルが高いのです」(小田氏)
沖縄と東北で引き合いがある理由は、「窓を開けづらいからだろう」とのこと。沖縄は暑すぎる、東北は寒すぎるといった環境的な理由で窓が開けられず、自然の風を生み出す気流デバイスが好都合のようだ。
まずは、B2Bで大型施設に導入していき、将来的には一般住宅の脱衣所などで使用できる簡易タイプの販売も目指している。パナソニックは、東京ガスと大阪ガスのOEMとして浴室向けの「ミストサウナ」を生産しており、実はかなりのシェアを占めている。そこで、ミストサウナと掛け合わせ、「自宅でもととのう」製品としてアプローチできないか考えているという。
数年前から続くサウナブームで、全国のサウナ施設は1万件を超えるという(サウナのデータベースサイト「サウナイキタイ」参照)。一方で、混雑やコスト増、マナーの悪い客がいるなどの理由からサウナ離れも起きているようだ。家庭向けが現実的な価格帯になれば、引き合いが増えるかもしれない。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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