ライブストリーミング事業の売り上げは前年比4.7%減の405億円で、セグメント損失は2億円の赤字に転落。ポコチャについてはマーケティング費用を抑制し、先行投資を絞って黒字化を見込むことで、回収路線へ転じている様子がうかがえる。
ヘルスケア・メディカル事業も売り上げ107億円と前年比8.1%増だが、依然として36億円を超えるセグメント損失を計上しており、事業の黒字化が遠い状況だ。
唯一、スポーツ事業は前年比14.8%増の313億円の売り上げを記録し、横浜DeNAベイスターズの優勝効果もあってセグメント利益は前年比33.5%増の28億円となった。ただ、スポーツ事業だけでDeNA全体を牽引する規模にはまだ達していない。
こうした実態から、市場は依然として「DeNA=ゲーム頼み」という構図に懸念を抱いていると考えられる。
ポケポケの成功は確かに素晴らしい。任天堂やソニーのような複数の強力な自社IPを安定的に展開できる大手とは違い、DeNAは他社IPとのコネクションを活用したゲーム開発に強みがある。
収益の一部がIPを保有する他社に支払われる点で、普通のゲーム会社よりは若干不利な立ち位置に属しているともいえる。市場が業績予想の非開示を警戒した背景には、オリジナルのIPではないところでゲームが成功していることだ。
次の何らかのIPを使ったゲームが成功するとは限らないという不確実性は、DeNAのゲーム開発における弱点ともいうべきかもしれない。
しかしそれは、「複数の芽が伸びきっていない途中段階」であり、成長の兆しが消えたことを意味するわけではない。むしろ、そのような環境でも爆発的なヒットを生み出したDeNAの底力には目を見張るものがある。
そもそも、短期的な株価の乱高下は、上昇相場の中では不可避である。
ポケポケリリース後に400%上昇した株価に対し、そこから16%下落したからといって、すぐに悲観視する必要はない。今回の株価下落は「過剰反応だった」として、今後再評価されることを期待したい。
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