コメダHDの2025年2月期連結決算は、売上収益470億5700万円(前年同期比8.8%増)、営業利益88億2000万円(同1.2%増)、税引前利益86億1200万円(同0.8%減)となった。売り上げは2ケタ近く伸びて好調の一方、利益は横ばいの状況だ。これは原材料費、人件費、エネルギー価格など経費が想定以上に上がっているからで、成長が続いており問題ないだろう。
同期の既存店売上高は、前年同期比で105.1%。2024年4月には店頭メニュー価格の改定を行い、直後の5月は、既存店売上高95.5%と苦しんだ。しかし、期間限定の「シロノワール」や、バーガーの企画で挽回した。これらの商品には、一定の根強いファンが付いており、リピーターによって売り上げが支えられている面がある。
期間中の新規出店は66店、退店は6店で店舗数は1083店となった。その大半がコメダ珈琲店で、フルサービスの喫茶としては、圧倒的なトップブランドだ。競合には、ドトール・日レスホールディングス(HD)の「星乃珈琲店」が269店(2025年2月時点)ほどあるが、大差を付けている。
セルフ式喫茶を含めても、スターバックス コーヒー(1991店)やドトールコーヒーショップの1073店に次ぐ、第3位のビッグブランドに成長した。
右肩上がりのコメダHDではあるが、経営の持続性を高めるには、そろそろ強い第2ブランドが欲しいところだったのだろう。全国に1000店規模ともなると、さすがに商圏の重なりも起きてくる。
またコメダ珈琲店はシニアや主婦、中高年以上に強く、午前中から昼過ぎまではにぎわっても、夜の集客がそんなに強くない。対してスターバックスは夜でも若い人で一杯だ。
加えて、コーヒー1杯の価格はスターバックスが400〜500円。コメダ珈琲店は店によってかなり幅があるが、ワンコインで入れるイメージはなく、若い人にもアピールしていくには、もっと気軽に利用できる業態も開発したい。そういった思惑で、ファストフード中心に新業態の出店が行われている模様だ。
スタバVS.コメダ 日米コーヒーチェーン徹底比較で見えてきた立ち位置
物価高時代に、なぜ競合より「ちょい高」なコメダ・星乃が伸び続けているのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング