なぜ今、ドコモは住信SBIネット銀行を買うのか? 4200億円の本当の勝算(2/5 ページ)

» 2025年06月17日 08時00分 公開
[古田拓也ITmedia]

住信SBIネット銀行とは何か

 住信SBIネット銀行は、2007年に三井住友信託銀行とSBIホールディングスの共同出資で設立された。設立当初は異色の合弁として注目され、その後は「住宅ローン」「円預金」「法人決済」などで着実に業容を拡大した。

 特に近年は「第一生命NEOBANK」やヤマダ電機の「ヤマダNEOBANK」など、異業種が銀行業に参入するためのインフラ整備を進めており、知名度の高い企業がNEOBANKを通じて、銀行業に参入するたびに話題となっていた。

住信SBIネット銀行の展開するNEOBANK(出典:NEOBANKの公式サイト)

 住信SBIネット銀行の預金残高は直近で10兆円を超え、口座数は800万以上となっており、住宅ローン取扱高は12兆円に上る。ネット銀行としては国内最大級で安定して黒字を維持しており、非対面型で高効率な運営体制を築いてきた。

 ドコモが今回の買収で手にするのは、単なる「ネット銀行」ではなく、金融のインフラそのものなのである。

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