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時価総額10兆円も視野 NEC社長に聞く「AIとセキュリティ」で目指す「次の5年」(1/4 ページ)

» 2025年06月19日 07時00分 公開

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本稿について

NECの森田隆之社長は6月10日、NEC本社でグループインタビューに応じた。本稿は記者団とのやり取りを記事化したもの。

 NECは2025年度を迎え、現行の中期経営計画の最終年度として、積み上げてきた成果の集大成に挑んでいる。Non-GAAP営業利益など一部の中計目標の前倒し達成を背景に、2025年7月にはNECネッツエスアイの100%子会社化に伴う中間持株会社の発足といった組織再編を進めた。

 AIや顔認証など先端技術の社会実装も加速している。大阪・関西万博では約120万人規模を対象とした大規模な顔認証システムを導入(NECが万博で展開する顔認証 DXで培った「入場から決済まで」できる技術を参照)。入場管理や決済の完全キャッシュレス化を実現するなど、利便性と安全性を両立する新たな社会インフラの構築に取り組む。

 NECは、自社の強みをいかにして社会課題に生かしていくのか。組織再編によって、何をどう変えていくのか。前編【NEC社長に聞く「成長戦略と人材変革」 ブルーステラ発足1年の課題は?】に続き、森田隆之社長に聞いた。

photo 森田隆之(もりた・たかゆき)1983年にNECに入社、2002年に事業開発部長、11年に執行役員常務、18年に副社長、21年4月に社長に就任。6年間の米国勤務や2011年からの7年間の海外事業責任者としての経験も含め、海外事業に長期間携わってきたほか、M&Aなどの事業ポートフォリオの変革案件を数多く手掛け、半導体事業の再編や、PC事業における合弁会社設立、コンサルティング会社の買収などを主導した。21年5月には、30年に目指すべき未来像「NEC 2030VISION」と2025中期経営計画を公表した。65歳。大阪府出身(撮影:河嶌太郎)

組織再編とグループ力結集で次の成長へ

――森田社長は2025年度をどのような1年にしたいと考えているのでしょうか。

 2025年度は、2025中期経営計画の最終年度となりますが、計数目標の一部は2024年度に前倒しで達成できました。2021年度の当初は本当に達成できるのかという声もありましたが、大きなサプライズがなければ、現在は中計達成が射程圏内に入ってきたと感じています。そのうえで、次期中期経営計画を何年間のスパンで策定するかはまだ決まっていませんが、例えば5年間と仮定した場合、その期間でNECがどこに向かっていくのか、経営チームの中で方向性について共通認識を持つことが非常に重要だと考えています。

 もう一つ大切なのは、NECグループの力を結集するための準備を進めることです。組織を整理し、人心を一つにまとめていくことが必要だと考えています。例えばNECネッツエスアイのTOBを実施し100%子会社化したことに加え、NECネクサソリューションズや消防防災事業、中堅・中小企業向け事業の部門を統合し、2025年7月に中間持株会社を発足させます。

 こうした新たな組織体制を、NECネッツエスアイの牛島祐之会長兼CEOをはじめとするチームが中心となって青写真を描いていきますが、少なくとも今年度中には「これでいける」と自信を持てる状態に仕上げていかなければなりません。

 アビームコンサルティングとの連携もこの数年、急ピッチで進めてきました。今後さらに拡大するために、何をすべきか検討していきます。さらに、この夏には欧州で買収した3社の本社機能を日本から欧州に移転し、グローバルレベルでグループガバナンスの新しい形を実証していきます。こうした一連の取り組みを通じて、次の成長を生み出すための土台を、この一年でしっかりと検証していきたいと考えています。

 数字面については、次期中計でNon-GAAP営業利益15%をしっかりと実現できるかどうかを、この一年で見極めていきます。売り上げについては、市場の成長以上に伸ばす必要はありますが、売り上げだけを目標にするのは適切ではないと考えています。

 M&Aをすれば売り上げは一時的に増えますが、それを目標にしてしまうと先行投資型・リスク許容型になり、過去のNECが陥った「誤った道」を繰り返すことになりかねません。売り上げは市場競争力があれば自然と伸びていくものですので、利益規模の拡大を中心に据えて経営を進めていきます。

photo Non-GAAP営業利益など一部の中計目標を前倒し達成(NEC 2024年度(25年3月期)通期決算概要)
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