職場で「孤独」を感じる人が「7割」で過去最多 50代で高水準：パーソルキャリアの調査（1/2 ページ）

[小松恋，ITmedia]

　職場で孤独を感じる社会人が約7割に達し、過去7年で最も高い水準となった。パーソルキャリア（東京都千代田区）が運営する調査機関「Job総研」が、社会人の男女576人を対象に実施した「2025年 職場の孤独実態調査」で明らかになった。

職場の孤独実態調査を実施（写真提供：ゲッティイメージズ）

コロナ後、職場の人間関係に変化　孤独を感じる人が増加

　コロナ禍をきっかけに、職場での人間関係が希薄になったようだ。出社回帰や政府の孤独対策など、社会的な孤独を感じる人が存在する実態が見えてきた。

　職場で孤独を感じた経験が「ある」と回答した人は69.2％という結果に。内訳は「とてもある」が18.2％、「ある」が26.2％、「どちらかといえばある」が24.8％となった。

　職場で孤独を感じた時期については、2019年には19.8％だったものの、コロナ禍に入った2020年には27.1%に増加。2022年までは概ね横ばいに推移した。5類移行後の2023年には36.1%まで上昇し、2025年では過去7年比で最多の67.2%に達している。

職場で孤独を感じた経験と孤独を感じた時期について

　職場で孤独を感じた経験を年代別に見ると、50代が73.8％と最も多く、30代が73.1％、20代が68.3％、40代が62.1％と続いた。男女別では、男性が72.2％、女性が64.0％となっている。

年代別・男女別の職場で孤独を感じた経験について

　職場で孤独を感じた経験を役職別に見ると、主任クラスが80.7％で最多。課長クラスが72.1％、一般社員クラスが67.0％、部長クラス以上が64.1％、係長クラスが63.5％だった。

　職場で孤独を感じた場面については、「人間関係が希薄だと気づいた時」（34.8％）が最も多く、「職場で雑談が少ない時」（33.6％）、「上司や同僚に相談しにくい時」（28.3％）が続いた。

　回答者からは、「いつもテレワークだが久しぶりに出社をした。雰囲気になじめず、出社の方が孤独を感じると思った」「一人で完結する仕事だと孤独感が生まれやすい。横のメンバーが何をしているか分からない」といった声が寄せられている。

役職別の職場で孤独を感じた経験や場面について

　職場で感じた孤独感の中身については、「年齢・性別・価値観が違う」（38.6％）が最多となり、「頑張りが誰にも届かない」（32.3％）、「自分だけ周囲と“何か”が違う」（26.3％）となった。

　職場の孤独感が及ぼす影響については、「不安・ストレスを感じやすい」（40.1％）が最も多く、「職場への帰属意識が下がる」（38.3％）、「モチベーションが下がる」（37.1％）が続いている。

職場で感じた孤独感の中身と影響について