企業の新商品・サービスの挑戦を支援するプラットフォーム、Makuake。ここでは日夜、新たなコンセプトを持った商品が企画され、ユーザーの厳しい目にさらされている。多くの支持を集めた商品にはどのような特徴があるのか。本連載では既に終了したプロジェクトを振り返り、成功の要因からプロダクト開発の近未来を探る。
最近、コメの価格高騰に関するニュースが連日のように報じられています。備蓄米の放出で価格はある程度落ち着く可能性はあるものの、生産コストの高騰や供給量の減少という大きなトレンドは変わらず、長期的には価格上昇が続く見通しです。
また、コメの価格上昇が必ずしも農家の収入増につながらないという構造的な問題も浮き彫りとなっています。
こうした状況下で、秋田県大館市の農家「佐藤農園」が応援購入サイトMakuakeで始めたのが「コメのサブスク」という取り組みです。
コメのサブスクは、秋田産のあきたこまち5キロを2カ月に1度届けるという定期購入サービスです。プロジェクト開始から多くの反響を呼び、最終的に635人の支援者から2800万円を超える金額が集まりました(現在はプロジェクト終了)。
このプロジェクトの肝は、一定期間内であればコメを固定価格で購入できる“年間定額パス”を提供している点です。プロジェクトの実行者である佐藤仰喜氏は、取り組みを始めたきっかけについて「生活者がほしいのは“コメ”ではなく“コメが買える安心感”なのではないかと思った」と語ります。
食の選択肢が多様化した現代においても、日本人にとってコメは食卓の中心的存在です。コメの価格高騰に関する報道が相次いでいることからも、多くの家庭にとってコメが欠かせないものであることが分かります。
こうした状況において、「コメが買えるのか」「買えるとしたら、その価格はどの程度なのか」を気にせずに済むようにすることが、今回のプロジェクトの本質といえます。
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