農家である佐藤氏は、オーストラリアの大学を卒業後、外資系金融機関やビジネスマッチング企業を経て、家業に戻ったという異色のキャリアの持ち主です。
「農業に携わる中で、コメの価格を生産者以外の人に決められることに違和感を覚えました。現状のままではコメ農家が十分な利益を得るのは難しい。そう考え、生産者側が価格を決められ、コメ農家の方たちの収入が増えるような仕組みにしたいと思いました」と語ります。
Makuakeに寄せられた応援コメントでは「コメがきちんと手に入る安心感がある」「定額で助かる」といった声が目立ちます。加えて「農家の力になりたい」「日本の農業を応援したい」といったコメントも複数あり、苦しい状況にある農家を応援したい人が多いことが分かります。
コメのサブスクは、コメ農家が長年抱えてきた“直販力の弱さ”という構造的な課題に対し、解決の糸口をもたらす試みといえます。サブスクという形をとることで、農家はあらかじめ需要を把握できるようになり、長期的な視点で経営を行えるようになります。設備や栽培技術への投資を計画的に行えるようになることで、農業の持続可能性を高めることにもつながります。
今回の取り組みの背景には「生活者はコメ自体ではなく、コメが買えるという安心感がほしいのではないか」という洞察がありました。センセーショナルな話題であふれている時こそ、表面的な情報に踊らされず、「生活者が本当は何を求めているのか」という視点に立ち、それを会社の経営や業界の課題に結びつけて考える――。このプロジェクトには「ユーザーが本当に求めているものを分析し、提供する」というマーケティングの大事な視点が詰まっているといえるでしょう。
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