えっ、これ全部ラバー? Zoffが本気でつくった“壊れないメガネ”の秘密(2/4 ページ)

» 2025年06月23日 07時00分 公開

硬さの異なるラバーを組み合わせた二層構造

 メガネは、強い衝撃を受けると壊れてしまう。金属ならポキッと折れ、プラスチックなら割れてしまう。Zoffの「ガリレオ」は、この根本的な課題をラバー素材で解決した。

 ただし、単純にすべてをラバーにするだけでは不十分だった。「輪ゴムのように柔らかく作ってしまうと、だらんと落ちてしまう」と伊東さんが語るように、強度を保ちながら快適なかけ心地を実現する必要があった。

photo 硬さの異なるラバーを組み合わせた二層構造を採用

 そこで、同社は硬さの異なる2種類のラバーを組み合わせた二層構造を採用。外側には強度を保つための硬いラバー、顔に触れる内側には快適性を重視した柔らかいラバーを使用した。開発では、この2つを圧着する技術の確立に最も苦労したという。

 フレームやテンプル(フレームの側面から耳にかける部分)に設けられた「抜き穴構造」も特徴的だ。これは単なるデザインではなく、衝撃を吸収するクッションとしての役割を果たす。

photo 踏んでしまっても問題なし

 3年以上の開発期間を要した技術は特許も取得。量産化にあたって、工場の担当者はその複雑な構造に驚いていたという。「簡単には真似できない高度な技術力」と伊東さんは自信を見せる。

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