Oki Dokiポイントは、初期に誕生したポイントであるがゆえに、特有の宿命を背負っていた。3つの時代の変遷を横目に見ながら、ECでそのまま使うこともリアル店舗で使うこともできない。いわば「カタログギフト型の時代」に取り残された存在だった。
しかし、ユーザーのニーズは明確だ。交換できる商品として上位を占めているのは、Amazonギフト券やJCBギフト券といった「現金同等物」である。利用者は複雑な交換手続きを経てでも、自由度の高い金券を求めているのだ。これは、ポイントの価値が「使いやすさ」にあることを如実に物語っている。
Oki Dokiポイントのさらに深刻な問題は、レートの複雑さである。基本的には1000円の利用で1ポイントが貯まる仕組みだが、交換時のレートがバラバラだった。例えば、JCBギフトカード1000円分を入手するには350ポイントが必要――これが還元率何%なのか、計算せずに分かる人がどれほどいるのだろうか。
実際の交換レートを見ると、さらに混乱は深まる。人気の高いAmazonでの利用は1ポイント=3.5円相当、キャッシュバックは1ポイント=3円相当。一方、1ポイント=5円相当として利用できるのは「福田屋商品券引換クーポン」のような特定店舗の商品に限られていた。
「分かりやすさ」からは程遠いこの状況は、ユーザーとポイントプログラムとの間に大きな壁を作っていた。44年の歴史を持つ老舗は、時代の変化から取り残され、制度の限界に直面していたのである。
「決済アプリ」の次なる一手は何か? PayPay金融グループの“第2章”が始まった
三井住友「Olive」はなぜ選ばれる? 500万アカウント達成までの舞台裏
王者Suicaに挑むタッチ決済、その実態と課題
アプリを開くたびに「推し」に会える喜び モバイルVカードが生み出す「好き」の経済圏Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング