リテール大革命

トライアルが描く未来の店舗は? スマートカートと顔認証決済で変わる買い物体験(4/4 ページ)

» 2025年06月30日 08時00分 公開
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「ソフトウェア」は自社で開発

 トライアルHDのリテールDXを支えるのは、自社の開発力だ。中国にある3拠点で約500人のエンジニアを擁し、店舗運営に関わるシステムを開発している。これにより、市場の変化に迅速に対応できる柔軟性とコスト面での優位性を実現している。

 ちなみに、顧客の個人情報および購買データは、日本国内のみで取り扱い、中国拠点はシステム開発のみに従事している。

 独自に開発したデータ抽出エンジン「E3スマート」は、お客の情報と買い物データが結びついたID-POSの処理に特化している。一般的なデータ処理製品と比べて約6倍速く処理できるうえに、コストは6分の1に抑えられているという。

photo トライアルGO代表の廣石氏

 同社は、ハードウェアは外部調達に依存するものの、ソフトウェアは内製化する方針を貫く。レジの機械本体は東芝テックのものを使っているが、中のソフトウェアは自社で開発している。こうして、他社と差をつけるソフトの機能を自分たちで管理できる体制を整えている。

 今後は西友買収により店舗網が全国に拡大することで、これまでに培ってきた技術やノウハウの適用範囲が大幅に広がる見込みだ。トライアルHDが進めるリテールDXにより、小売業界の「ムダ・ムラ・ムリ」解消がどこまで進むかが注目される。

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