タッチ決済の急速な普及に伴い、QUICPayの利用者が減ってしまいそうだが、なぜ両者が同時に成長できるのだろうか。
中村次長は「タッチ決済とQUICPayは対立する選択肢だと考えている方が多いが、そうではない。現金からの置き換えで、タッチ決済もQUICPayも、順調に伸びている」と説明する。
QUICPayはスマホに対応カードを設定して利用する非接触決済サービスであることを強調する説明画像。プラスチックカードに付属する機能ではなく、モバイル端末での利用が前提となっていることが明確に示されているこの「共存共栄」を裏付けるように「QUICPayを支持している既存顧客の利用単価は伸びており、利用回数も増えている」(中村次長)。つまり、タッチ決済の普及によってQUICPayユーザーが離れるのではなく、むしろ既存ユーザーの利用も活発化しているのである。
利用場面の拡大も、成長を後押ししている。中村次長によると、「コンビニやスーパーなど、少額の買い物におけるスマホ決済の利用が増えている」という。クレジットカードを使いにくかった少額決済で、QUICPayが現金に代わる決済手段として定着しているのだ。
クレジットカードを発行できない未成年でも、デビットカードやプリペイドカードなら利用できることが、若年層の利用拡大につながっている。キャッシュレス決済比率が42%を超える中で、QUICPayとタッチ決済は競合となるのではなく、それぞれが適切な場所で現金決済の市場を開拓しているのだ。QUICPayとタッチ決済の両方を取り扱うJCBにとって重要なのは、それぞれの利用者の決済額をいかに増やすかなのである。
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