さかのぼると、パナソニックは2013年に、初の男性向け体毛ケア製品として「ボディシェーバー」を発売した。その後、2017年に「ボディトリマー」に名称を改め、形状もバリカン型からI字型に変更した。当初、ボディトリマーは海外向けの製品だったという。
「ボディトリマーの開発を検討し始めた2012年ごろは、欧米を中心に男性の体毛ケア、なかでも『VIOゾーン』のケアが一般化していました。ただ、当時の担当者が、このトレンドはいずれ日本にも到来するだろうと予測し、国内でも発売しました」
筆者が調べてみると、米国国立衛生研究所が2016年に実施した調査で、米国在住の18〜65歳の男性4198人のうち、2120人(50.5%)が「定期的にアンダーヘアを処理している」と回答していた。
ボディトリマーをI字型の形状にしたのは、「バリカン型は、お尻の割れ目など入り組んだ部位を処理しづらい」という課題を解決するためだったという。
「2017年に発売すると、年間の販売台数が大きく伸びました。当時、『男性のVIOゾーンの体毛ケアが主流になりつつある』といったメッセージを打ち出し、それが受け入れられたのではないかと考えています」
その後、2018年と2019年に同製品のアップデートを実施。「いきなりツルツルにするのは抵抗がある」というニーズに応え、体毛の長さを細かく調整できるダイヤル式のアタッチメントを付属したり、充電時間を短縮したりと、利便性を高めていった。
そんな矢先にコロナ禍が到来。自宅での美容ケアに投資する「おこもり美容」のニーズが拡大し、男性が体毛ケアを始めるきっかけになったようだ。さらに、コロナ禍が明け、外出機会が増えた段階でも体毛ケアのニーズは続いた。そうして、2025年4月にボディトリマーは国内累計出荷台数が100万台を超えた。
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