亀田製菓と東洋水産は、メディアがさらなる火を付けようとコメントを求めても「沈黙」を貫いたが、これは妥当な対応だった。もしあの騒動で謝罪や釈明コメントを出していたら、SNSではその文章を細かく添削して「この言い方は誠意を感じられない」「この表現は不適切だ」と吊(つる)し上げ、炎上が1週間延長しただけだ。
そのあたりにご興味のある方は、「マルちゃん『赤いきつね』CM大炎上はウソ…危機管理のプロが東洋水産の対応を『完璧』と絶賛するワケ」(ダイヤモンド・オンライン 2025年2月20日)を読んでいただきたい。
さて、ここまで読むと、本稿も「ミツカンの今回の対応がよろしくなかった」と言いたいのかと思うだろうが、実はちょっと違う。確かに筆者も他の専門家と同じく「謝罪すべきではなかった」と思う。
一方で、この手の炎上企業の内部に入って、彼らの対応をサポートしてきた立場からすると、ミツカンがこういう対応になってしまったのも仕方がないのではないかとも思う。
つまり、原理原則からすれば「謝罪は悪手」なのだが、組織にはそれぞれ「オトナの事情」があるため、必ずしもベストな危機管理対応ができない厳しい現実がある、ということが言いたいのだ。
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