優秀な人材に選ばれる会社とは? これからの採用で問われる企業の姿2040年の人材ビジネス大予測(1/5 ページ)

» 2025年09月07日 09時00分 公開

この記事は『2040年の人材ビジネス大予測』(黒田真行、神宅謙一郎/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。


 「採用市場の主導権が、買い手から売り手に完全に転換する」

 2040年、日本の労働力人口は約6000万人にまで激減します。このことは企業の採用活動に根本的な転換を迫ることになるでしょう。なぜなら、これは単なる量的な変化ではなく、採用市場における力関係の質的な逆転を意味するからです。

 この転換が、企業の採用プロセスをどう変えていくのか。

(出典:ゲッティイメージズ)

 特に注目すべきは、採用のリードタイムです。従来の新卒一括採用では、内定から入社まで半年以上のインターバルを設けるのが一般的でした。しかし今、優秀な人材の多くは複数の内定を保持し、より良い条件を提示する企業に流れていきます。実際、大手企業の調査では、内定辞退率が5年前の2.3倍に上昇。採用から入社までの期間が2カ月を超える企業では、平均で42%に達しているというデータもあります。

 採用における「選考」の概念そのものも、根本的な変更を迫られています。

 従来の「企業による一方的な評価」から、「相互選択のプロセス」への転換です。例えば、経団連の調査によると、採用面接の平均時間は2018年の45分から2023年には75分に延長。これは、企業側からの情報開示と、候補者との対話に多くの時間を割く必要が生じているためです。

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