会社の業績に寄与しない仕事は極力排除すべし 業務効率化に必要な視点(2/6 ページ)

» 2025年09月10日 05時00分 公開
[ITmedia]

――タスク管理に関しても考え方があると聞きました

 私は「緊急度×重要度」のマトリクスをベースに判断していますが、あくまで参考です。現場には想定外の「緊急対応」がつきものなので、スケジュールはギチギチにせず、会議と会議の間にも必ずバッファを入れています。また、10〜20分で終わるタスクは今すぐやる。そんなタスクはわざわざスケジュール化せずに即処理した方がコスパが良いです。

――業務効率化のために活用しているデバイスやツールがあれば教えてください

 最近ですと「PLAUD(プラウド) AIボイスレコーダー」は重宝しています。音声を自動で録音・文字起こし・要約してくれるデバイスで、電話も会議も即座に記録できます。本体はスマホ裏に装着可能なガジェットで、月1000〜2000円程度で導入できるので、特に会議や打合せの多いビジネスパーソンにはおすすめです。

 また、資料作成では「Gamma(ガンマ)」を、情報収集では「Perplexity AI」を使っています。Perplexityは、「明日会う社長がどんな人物か」といったことを瞬時にまとめてくれるので、Google検索よりも断然速い。AIはもはや、キャッチアップツールとしても必須ですね。

――チーム全体で効率化するうえで意識していることは?

 キーワードは「簡単」と「共有」です。生産性を上げるために、難解なツールや独自性の強すぎる方法を使っても意味がありません。チーム全員が慣れているものを使うことが重要です。

 例えば、資料共有の場合、Googleドライブのような誰でも知っている汎用的なツールの方が情報の伝達効率も高い。何より誰でも一度は使ったことがあるツールなので、分からなければ誰かに聞けば解決します。そういった意味も含めて「簡単」です。

 そして、その「簡単」をチームで統一することで、無駄なレクチャーやストレスがなくなり「共有」は容易になります。どこの業界にも最新ツールに飛びつく人がいますが、こういったことでも「何のためにそれをやるのか?」の根本を押さえることを意識しています。

――過去の経験から「こうしておけばよかった」と思うことはありますか?

 ありますね。先ほどの質問で少し触れましたが、特に大企業の新規事業に関わると、流行りに飛びついてしまいがちです。

 「デザイン思考」「リスキリング」といった言葉も一時期流行しましたが、それに飛びついて自らを見失った企業も多かったのではないでしょうか? そんな光景を経営コンサルとして目の当たりにしてきました。

 やはり、どんなときにも「履き慣れたスニーカー」を活用する方が成果や生産性につながりやすいと思います。新規事業といった大きな枠組みだけではなく、自分の手前のタスク一つを片付けるにしても考え方は一緒で、慣れていないことをゼロから始めるより、慣れたものを使いこなした方が早く成果が出せます。

 効率化を考える際にも「過去の良かったもの」だけは捨てないようにはした方がいいと思っています。

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