会社の業績に寄与しない仕事は極力排除すべし 業務効率化に必要な視点(5/6 ページ)

» 2025年09月10日 05時00分 公開
[ITmedia]

――毎日のスケジュールが会議ばかりで手が動かせないという声も多くあります

 よく聞く話ですね。役職が上になるほど「定例会議に出るだけで1日終わる」という方が多い。私たちが相談を受けるクライアントの多くも、まさにその状態です。

 「出席しても“発言すらしない会議”が多い」という話も聞きますが、もはやそれは「バリュー0」です。発言もしない会議に行く価値なんてありませんから。

――生産性を追い求めると生産性は上がらない、とも説明していました

 はい。私たちは機械ではなく人間ですから。生産性を考える上で何より大切なことは「人間の感情と欲求」を理解することです。

 そして、この手の人間の感情と欲求を理解するためには「マズローの欲求5段階説」が有効です。

――どのように生産性とつながるのでしょうか?

 例えば、あるマネジャーが「会議の効率化を図ろう」と部下に指示したとします。でもその部下が“生理的欲求”すら満たされていない、つまり深刻な寝不足で、さらに生活できない水準の給与も支給されていなかったら、その指示はきっと響かないのではないでしょうか?

 つまり、マズローのピラミッドでいう“承認欲求”より下の階層にいる相手に対して「創造性を出せ」といっても無理なんです。私もTBS時代、ドラマ制作現場では夜中遅くまでの作業もありましたが、ただその状況で、ドラマと無関係の業務指示があっても動けなかったですね。編成局の上司から「今後のマーケティング戦略について意見を出せ」と指示があっても、「まず寝かせてよ」が本音でした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR