CX領域における生成AIの真価の発揮。これを仮説に終わらせず、現実のものとするために、どんなアプローチを取ればよいのでしょうか。
私たちは「生活者発想」が重要だと考えます。これは、人を商品やサービスを購入・使用する「消費者」という側面だけで捉えるのではなく、生活まるごと・360度全方位的に「生活者」として捉え直し、その観点から、商品やサービスを見つめ直す思考スタイルです。
人のように対話ができ、複雑な思考や背景まで表現できるAIを使って、あらゆる生活者像を、机上のデータではなく“生きた人格”として再現する──これらを実現するのが「バーチャル生活者」というプロダクトです。
AIは忖度(そんたく)がない、感情的にならない、時間や距離を超えられる。だからこそ、これまで生活者自身が自覚していなかったり、明確に言語化できていなかったりした小さな気付きやモヤモヤ、少数派の声、そして、未来の兆しにまで幅広くアクセスできるのではないでしょうか。
バーチャル生活者を活用したところ、CX領域における生成AIの真価の発揮につながる道筋が3つ見えてきました。
バーチャル生活者は、生成AIによって構築した対話可能なペルソナです。博報堂が独自に保有するデータや、クライアントがそれぞれに保有するデータなどを基盤として、名前や年齢、価値観・悩み・SNS利用傾向・家族構成・購買行動・1日の過ごし方に至るまで、さまざまなことが分かる精緻(せいち)な人物像を生成します。
バーチャル生活者の最大の特長は「インサイトを発掘できる」点です。一般的なペルソナ設計では、定量・定性調査から代表的な人物像を規定して終わりますが、バーチャル生活者はまるで実在する人物のように存在し、こちらの質問に応じて感情や行動の背景を語ってくれます。
生成するときのコツは「いかに命を吹き込むか」。性別・年代・年収・趣味といった表層的な属性だけでなく、生々しい要素(欲求・強い願望や期待・葛藤など)を組み込むことがポイントです。
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