東京商工リサーチの調査によると、2025年8月の「税金(社会保険料を含む)滞納」による倒産件数は14件となり、前年同月比16.6%増と、2カ月連続で前年同月を上回った。1〜8月累計は110件で、2016年以降では2番目に高い水準に達している。
1〜8月累計の内訳を見ると、「破産」が104件(前年同期比9.5%減)で全体の94.5%を占めた。物価高や賃上げ、金利上昇によって資金繰りの負担が増し、税金を滞納した企業が経営再建を果たすことは難しい状況であることが浮き彫りになっている。
8月の負債総額は32億2800万円(前年同月比23.8%増)だった。一方、1〜8月累計では368億4500万円となり、前年同期比32.7%減と4年ぶりに前年同期を下回った。「負債10億円以上」の倒産が8件(前年同期3件)と増加したものの、「5億円以上10億円未満」は7件(同18件)、「1億円以上5億円未満」は37件(同56件)と減少し、全体の負債額を押し下げた。
東京商工リサーチは「コストアップが企業収益を圧迫し、事業継続のために運転資金を優先した結果、社会保険料や税金といった公租公課を納める資金余裕のない企業が出ている」と指摘。今後も「税金滞納を要因とする倒産は高水準で推移する可能性が高い」と分析している。
本調査は2025年1〜8月に発生した全国の企業倒産(負債1000万円以上)のうち「コンプライアンス違反」倒産に分類される「税金滞納」関連を対象としている。
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