対してマーケットトレンドは、実際に市場で流行し出して広がりそうな要素を指します。米国で発表されたエベレット・M・ロジャースの「イノベーターの普及理論」をマーケティングの授業で学んだ人も多いかと思いますが、新しいアイデアや製品が普及するプロセスを2.5%の「イノベーター」、13.5%の「アーリーアダプター」、34.0%の「アーリーマジョリティー」、同じく34.0%の「レイトマジョリティー」、16.0%の「ラガード」の5つの採用者グループの順でトレンドが普及していくことを説明しています。
イノベーターと呼ばれる集団がトレンドをキャッチアップします。この段階ではまだニッチな流行と言えます。次のアーリーアダプター、つまり全体の16.0%が採用し始めると、確実なトレンドとして認識されます。
さらに、その時点で効果的なプロモーションや製品の質向上を図ることで一気に広がると提唱するジェフリー・A・ムーアのキャズム理論が登場します。これらの理論がどこまで正確かは、私には分かりませんが、トレンドの拡散イメージとしては理解できます。
そして、レイトマジョリティまで広がると一気にダウントレンドとなるわけです。84.0%の人がユニクロのフリースを着ていると、地方の高齢者なども普通に着るようになります。そして、その頃にはもうイノベーター、アーリーアダプターの人々は別のものを着るようになっているというようなイメージです。
日本では、裏原宿などから発生した特異なストリートトレンドという得体のしれない力が働くマーケットトレンドも存在します。つまりコレクショントレンドから素直に影響を受けて、マーケットトレンドとして花開くトレンドもあれば、実際には不発に終わるトレンドや、イノベーター止まりでニッチなサブカルチャー、オタク的流行も起こり得ますが、街から若者により自然発生的に拡散してきて、市場を席巻するほどに力を持つストリートトレンドは、日本の誇り高き大きな特徴とも言えます。
流行色協会からテキスタイルトレンドへ、そしてパリコレというトップダウンの古い潮流とストリートから生まれるボトムアップの現代の潮流に、さらに世界の社会潮流が合流して、トレンド分析がなされているのです。
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