ワークマンがリカバリーウェアに参入したのは、2021年夏にさかのぼる。当時は、コンプレッションウェア(体にフィットする機能性ウェア)として、現場で作業するワーカーやスポーツ従事者向けに開発していた。
2022年以降はターゲットを広げて、ルームウェアも展開。当初はリカバリーウェアの認知度が低かったが、2024年の春夏頃から一気に人気が拡大したと半田氏は当時を振り返った。
「リカバリーウェアを販売する企業が地道に販促や啓蒙(けいもう)活動をしていった結果、じわじわと広がっていた認知が一気に拡大したのだろうと。当社製品も2024年の春夏から急激に売れ始め、入荷すると1週間以内で完売となり、店頭にほぼ在庫がない状況が続きました」
こうした状況を踏まえ、2025年9月1日からは、パイル地のルームウェアやフリースジャケット、寝具など点数を拡充してメディヒールを大々的に展開している。購買層の過半数以上が女性であり、レディースのラインアップも増やしている。
同シリーズは前年比10倍の200万点を生産し、その内訳は180万点がウェア類、20万点が敷きパッドなどの関連商品・小物類となるという。
価格は製品によって異なるが、ルームウェアは1枚1900円、上下で3800円のものが多い。敷きパッドはシングルで1780円に抑えた。ちなみに、競合のテンシャル社の製品を見ると、長袖・ロングパンツの上下セット「BAKUNE Dry(バクネドライ)」が2万4860円(希望小売価格)。市場では低価格のアルペンでも、長袖・長ズボンの上下で5998円だ。なぜワークマンは、これほど安くできるのか。
「低価格を実現できた理由は主に2点です。1つ目は、広告宣伝を打たなくとも売れること。長年の事業の下積みにより機能性への信頼を得られていることから、広告費をかけずとも購入いただけます。2つ目は、他商品と抱き合わせで大量生産していること。これらは、競合と比較した当社の優位性だと考えています」
広告宣伝費や生産費用の違いに加え、吸汗速乾性などプラスアルファの機能性を付与していることが、他社製品が高価格帯になる理由ではないかと半田氏は話した。
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