メディヒールは、競合の5分の1〜6分の1と低価格のため、「効果はあるのか」といった疑問の声もあるという。これに対して半田氏は、「決められた評価試験により血行促進の効果を検証済みで、『一般医療機器』として届出をしている」と説明した。
「各社とも同じプロセスで届出を行っているため、リカバリーウェアの基本的な機能性に大きな違いはありません。効果は被験者のコンディションにも左右されるので、『他社よりも血行促進効果が高い』とは、どの企業もうたえないはずです」
2025年3月に厚生労働省が通達した、一般医療機器「家庭用遠赤外線血行促進用衣」(リカバリーウェアの正式名称)に関する質疑応答集によると、「一般医療機器(クラスI)とは、人体への影響がごく軽微であるものを対象とする分類であるため、その使用目的や効果においても、使用者への影響はごく限定されたものであることが前提となる」としている(関連リンク、PDF)。
この内容を踏まえると、加工技術や効果検証の方法などが各社で異なっていても、血行促進や疲労軽減の効果については大差ないと考えられる。
メディヒールは累計170万点の販売実績があり、2025年の秋冬で約370万着、2026年の春夏で約700万点の累計販売数を目指すという。「リカバリーウェアはワークマンで事足りる」という環境を作りたいと半田氏は展望に触れた。
「血行促進は実証できているものの、その実感や疲労軽減効果は個人差があります。プラスアルファの機能性を追加することで、誰が着ても効果を実感できるようなウェアに進化させたいですね。それでも大きな値上がりにはなりませんし、リカバリーウェアはワークマンを着ればいいよねという環境を作れたらと考えています」
ワークマンは、高価な贈り物ではなく自分用として、リカバリーウェアの大衆化を目指している。品薄状態がいつ解消されるのかは気になるが、今よりも買いやすくなれば、さらなるヒットにつながりそうだ。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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