ミャクミャクの事例は、こうした効果測定の重要性に加え、ネガティブな状況を打破するためのヒントに満ちています。
公式キャラクターの発表当初、Web上では「不気味」「怖い」といった批判的な声が多く上がりました。しかし、ミャクミャクのグッズや情報を発信する公式Xはそれを否定しませんでした。結果として、SNSコミュニティがその言葉を「キモかわいい」という表現へ転換させ、ネガティブな言葉の意味そのものをポジティブに再定義したのです。
ミャクミャクの事例が示すように、自社製品への批判に反論するのではなく、「ユニークな個性」を魅力として伝え直すコミュニケーションが、アンチをファンに変えるきっかけになり得ます。
ミャクミャクのシンプルなデザインは、ファンが想像力を働かせ、二次創作や大喜利など、遊べる余白に満ちていました。「ミャクミャク様」という神格化されたキャラクター像も、この余白から生まれたものだと考えられます。
自社ブランドのストーリーやメッセージを100%作り込んで提供するのではなく、生活者起点で物語を紡げるような余白を残しておく。この姿勢が、生活者の当事者意識を育み、熱狂的なコミュニティを形成します。
ファンによるミャクミャクの二次創作が盛り上がった際、大阪・関西万博の主催者はそれを厳しく取り締まらず、公式サイトで感謝の気持ちを伝えました。そして、大阪・関西万博に関心を寄せる生活者に向けて、二次創作を公表して楽しめるようルールを制定しました。
この寛容なスタンスがUGC(ユーザー生成コンテンツ)の増加を後押しし、ハッシュタグ「#こみゃく」で二次創作が盛り上がるなど、企業と生活者の間に強い信頼関係を築く上で重要な役割を果たしています。
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