竹田恒泰さんの「古墳のお墓」なぜ人気? 「墓じまい」が増える中、280区画が即完売スピン経済の歩き方(5/7 ページ)

» 2025年09月17日 12時43分 公開
[窪田順生ITmedia]

業界内では「不可能だ」とも言われたが……

 もともとこの分野に参入した際、霊園業界の人々からは「ネットで墓を売るなど不可能だ」と言われたそうだが、このような新しいことにチャレンジして、サービスの質を上げていくことが大事だと竹田さんはおっしゃった。

 そこに加えて筆者が「これはかなりウケそうだな」と感じたのが、「墓を持ち続けること」の不安を解消する利便性である。分かりやすくいえば、「もう無理!」と思った時点で「墓じまい」へと気軽にスイッチできる道を用意してくれているのだ。

 先ほども説明したように、古墳墓には「永代祭祀墓」と「合祀墓」という2つの種類があり、永代祭祀墓は20年が経過すると、費用を払えば延長できるが、払わなくても古墳墓で埋葬され続ける。

「永代期間が経過したら、御骨を同じ古墳内の合祀墓に遷座します。その後、合祀墓は無期限でご使用頂けます」(『古墳の窓口』公式Webサイト)

「大阪メモリアルパーク」(出典:前方後円墳のプレスリリース、撮影:山中陽平)

 これは墓を管理する側、つまり子どもや家族にとって非常にありがたいことである。先ほど申し上げたように、少子化ニッポンでは、親の介護、葬儀、遺品整理、墓の管理というのは非常に重い「負担」だ。それを霊園側が自動的に「墓じまい」してくれる。しかも、どこか別の場所に移動されるわけでもなく、同じ古墳墓の中なのだ。本人はもちろん、墓参りをする側にとっても使い勝手がいいシステムだ。

 ただ、このような利便性の高さもさることながら、やはり古墳墓を購入する人たちの背中を最後に押すのは、(3)の「日本国民統合の象徴に入るという『満足感』」だろう。

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