従来のヘアアイロンは、100〜200度の熱によって「ヘアスタイルを作る」ための製品とされていた。しかし、近年はヘアアレンジの性能に加えて、「ツヤのある髪を作る」「強いうねりを真っ直ぐにする」といった高機能の製品が続々と誕生している。
パナソニックでは、独自の微粒子イオン「ナノイー」よりも水分発生量を18倍高めた「高浸透ナノイー」を2019年に開発。同技術を搭載したヘアドライヤーを同年に発売し、幅広い層から人気を得ている。
2024年4月には、高浸透ナノイーを初搭載したストレートアイロンも発売。ヒーターには同社最速のセンシング技術を搭載したことで、髪にムラなく熱を伝え、ヒーターの温度低下を自動で防げるように。イオンなしのヘアアイロンと比べて、約1.2倍のツヤやしっとりした質感をかなえるほか、枝毛や切れ毛の発生率も低減するという(同社調べ)。
ヘアアイロン市場でトップシェアを誇るMTG社も、ストレートアイロンの機能向上に注力する。2025年4月に発売した新製品は、「うねりをワンストロークで整える」として、独自の幅広カーボンレイヤープレートとヒートセンシングを搭載。「水、熱、圧」の3要素をコントロールして、真っ直ぐでツヤのある髪へ導く。従来製品に比べ、うねりやクセの伸びやすさ、ツヤ感、しっとり感が向上し、さらにヘアカラーの色落ちも抑えられるとする。
そのほかにも、ダイソンでは、風の力で自然なストレートヘアをつくる「Dyson Airstrai(ダイソンエアストレート)ストレイトナー」(希望小売価格4万8799円)を2024年8月に発売。ヤーマンでは、夜に使うことで美髪をかなえる新発想の「ナイトリペアアイロン」(同3万8500円)を2024年5月に発売した。
高額ストレートアイロンは競争が激化し、戦国時代に突入したとも言える。パナソニックの調査によれば、ヘアアイロンの3カテゴリー(カール、ストレート、両用)のうち、2022〜25年にかけてストレートのみシェアが伸長、ヘアアイロン需要の約6割を占めるまでになったという。
「特に、1万円以上のストレートアイロン市場が急拡大しています。同市場で1万円以上の製品割合は、2022年度に15%でしたが、直近の2025年度(4〜7月)には24%まで向上しました」(パナソニック くらしアプライアンス社 ビューティ・パーソナルケア事業部 高橋瑠菜氏)
「男性用のレース下着」なぜ人気なのか ワコールが販売して分かったこと
ワークマン「リカバリーウェア」、初週で昨年の2倍売れた! “買えない不満”は解消できるのか
ファミマ「初サングラス」が大ヒット 3週間で完売した理由
「寄せて上げて」はもう古い? ユニクロやファミマが変える“下着の常識”Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング