ワールドの2025年2月期決算は、売上収益2257億円、営業利益168億円となった。決算月の変更により前年との単純比較は難しいものの、堅調に推移している。
同社では、百貨店を中心に展開してきた高付加価値のミドルアッパーブランドよりも、ショッピングセンターを主戦場とするミドルロワーブランドの売り上げが好調で、百貨店依存からの脱却が着実に進んでいる。
商品開発では、夏が長くなっていることを踏まえ、「暑秋」という新しいシーズンを設定し、商品展開を始めた。シーズン切り替えのタイミングが合わず、残念ながら現時点では売り上げへの寄与は限定的だが、今後トレンドに乗れば、競合を引き離せる可能性がある。将来につながる取り組みだ。
さらに、同社には「プラットフォーム事業」というユニークな柱がある。ワールドグループで蓄積してきたノウハウを生かし、ブランディング、空間設計・店舗デザイン、販売代行など、7つの領域・19のソリューションを組み合わせて企業の課題解決を支援している。
M&Aにも注力し、ファッション性の高い子ども服で定評のある、ナルミヤ・インターナショナルを、10月1日に完全子会社化した。従来、ワールドがあまり取り組んでこなかった子ども服に核ができた。
このように、従来の“百貨店アパレル”という枠組みにとらわれず、業績を伸ばしている。
アパレルのトレンドは、誰がつくっているのか
なぜ、ファミマで「普通の服」を売ろうとしているのか 「ユニクロ並み」価格を実現できた背景Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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