特に男性のインナーウエアで長く首位を築いてきたグンゼの、2025年3月期連結決算は売上高1371億円(前年同期比3.2%増)、営業利益79億円(同16.9%増)と、一見すると堅調だ。しかし、アパレル分野に限ると、売上高608億円(同1.1%増)に対し、営業利益は8億円(同48.6%減)となり、微増収・大幅減益と厳しい状況だ。
現在、同社で伸びているのは、アパレルではなく機能ソリューションやメディカルといった別領域だ。
メンズインナーを中心とした肌着の不振は、地方を中心に百貨店や総合スーパーの閉店が相次ぎ、売り場が縮小していることが根本的な要因である。「グンゼ製品を買いたくても売っている場所がない」という声も増えている。
しかも、夏はTシャツを肌着代わりに着る人が増え、冬はワークマンのメリノウールやユニクロのヒートテックといった、手軽に買えて機能性も高いアイテムへと需要が流れていることも大きい。
こうして、グンゼはファストファッションにシェアを奪われ、かつての「メンズインナー市場をリードする存在」としての圧倒的地位が揺らいでいるのである。
8月6日にはアパレル部門の希望退職者の募集を開始。11月5日、82人の応募があったと発表した。
アパレルのトレンドは、誰がつくっているのか
なぜ、ファミマで「普通の服」を売ろうとしているのか 「ユニクロ並み」価格を実現できた背景Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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