こうした供給手法が首都圏人口密集地において有効であることは、まいばすの成功が証明している。
図表3はまいばすの公式Webサイトに掲載されている成長の軌跡であるが、この約10年間で、約1000億円から3000億円弱へと拡大している。これまで首都圏中心部で、このようなスピードで拡大したチェーンは他にないだろう。
まいばすの成功は、バックヤードのないコンビニサイズの店舗でも、商品の供給体制を確立できれば都心部においても店舗を増やし、急成長できることを示している。
トライアルはやや異なるモデルではあるが、バックヤードのない小型店を、テクノロジーの活用によって低コストで出店していくことを目指している。
こう聞くと、「二番煎じで、本当にまいばすに勝てるのか」「コンビニのシェアを奪うことは本当に可能なのか」と疑問に思う方もいるだろう。
しかし、このトライアルGOの店舗展開は、ライバルとの勝ち負けやシェアの奪い合いといった単純な話ではない。
確かに、まいばすやトライアルGOが、近くのコンビニから弁当や総菜の需要を一定量奪うことは事実だ。ただ、まいばすとトライアルGOは家庭での調理を前提とした食材を扱う小型のスーパーであり、すぐに食べられる商品を求める客が訪れるコンビニとは役割が異なる。
そもそも、スーパーで68円で売っているペットボトル飲料を、コンビニで150円払って買うのは、「時間がない」といった何らかの事情があってのことである。
そのため、近所にこうした豊富な品ぞろえと手頃な価格のミニスーパーが増えた場合、主に影響を受けるのは、中小零細スーパーや商店街なのである。
まいばすやトライアルGOがなぜ東京23区内中心に展開しているのかを考えてみると、その答えはすぐに分かる。23区内には、中小零細事業者のシェアがいまだに多く残っているからだ。大手チェーンであるイオンやトライアルHDの目には、23区内が成長余力のある市場として映っているのである。
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