2009年に上梓した著書『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α新書)の中では、マスコミ報道というものが、政治・経済などの分野におけるスピンコントロール(情報操作)の役割を果たして、世論を特定の方向に誘導していることに警鐘を鳴らした。本連載のタイトル「スピン経済の歩き方」もそこからきている。
そういう問題を指摘してきた人間として、最近の「中国人観光客」を巡る報道を見て強く感じることがある。それは、15年前に比べるとマスコミが「スピン」を隠さなくなってきたということだ。
テレビ、新聞、週刊誌、今やどのオールドメディアも経営的に厳しい。貧すれば鈍するではないが、ニュースという「商品」を売るために、誰かを分かりやすい「敵」に仕立てあげたり、恐怖や不安をあおったりすることに、かつてより抵抗がなくなってきたように思う。人類の歴史を振り返っても、最もメディアが大衆に支持されるのは「戦争」のときだ。つまり、物事を白黒で割り切って対立をあおったときにこそ、メディアは大きく成長できる。
今、観光に限らず、日本経済に関してさまざまなニュースがあふれているが、その多くは何かしらの「政治的意図」のあるポジショントークだ。
もちろん、本稿で述べたように、このニュースが正しくて、このニュースが間違っているという単純な話でもない。それぞれフォーカスしている情報が異なるだけなので、どちらも正しいし、どちらも間違っているともいえる。
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