同社の財務構造に目を向けると、オリエンタルランドの成長エンジンが「入園者数」から「客単価」へ完全にシフトしたことが鮮明だ。2026年3月期中間決算では、入園者数が減少する一方で、客単価は過去最高を記録した。しかし、数量減を単価増でカバーするモデルは、インフレによる実質賃金低下が続く局面では脆い。
注目すべきは、2025年6月に報じられた「チケット価格の引き下げ検討」というニュースだろう。これは、現在の価格水準において需要の価格弾力性が高まり、これ以上の値上げが入園者数の減少を招く「転換点」に達した可能性を示唆している。高いPERを正当化するファクターは高い成長率であるが、ここにきて客単価の踊り場が見えてきた。
その結果、企業価値には下方圧力がかかるのである。
米国ディズニーが成功させてきた強気の価格転嫁は、日本では中間消費者層を切り捨てるリスクを有しており、これ以上は踏み切れない可能性がある。
一方で、コスト構造は硬直化している。労働需給のひっ迫による人件費の高騰は不可逆的であり、新規エリアや事業に伴う減価償却費の増大は、長期間にわたる減価償却で利益を圧迫する。
ホテル事業が目下の安定装置として機能しているものの、そのキャパシティーには物理的な上限があり、利益上振れの余地は限定的だ。
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宮古島“観光バブル”の代償──倍増した家賃、住めなくなる地元民……変わりゆく現実Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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