株式市場において「最高益でも暴落」という現象は日常茶飯事である。そもそも、投資は将来の可能性に資金を投じる営みだ。つまり目先の数字がいかに良くても、明日倒産するような会社に投資は集まらない。実績以上に重視されるのは将来の成長期待である。
オリエンタルランドの株価低迷を象徴づけたのは、今年度の中間決算であった。
猛暑による外出意欲の減退を反映したのか、テーマパーク事業は市場予想を下回り、上半期で497億円と前年同期比で2億円の減益となった。
全体業績は伸びているものの、2025年3月期に大幅な減収減益を経ているという事情もあり、テーマパーク事業の伸び悩みという懸念を払拭するまでには至らなかった。
ファンタジースプリングスには約3200億円もの巨額を投じ、稼働してから1年になる。それが本来なら投資回収フェーズに入るはずのタイミングで、テーマパーク事業の増益に寄与しなかったのだ。この事実は、資本効率の低下とコスト構造の硬直化を如実に暗示している。
オリエンタルランドは減速の主要因を今年特有の猛暑という形で説明したが、市場はこの説明を額面通りには受け取らなかった。
気候変動が常態化する現代において、天候要因をリスクとして制御できていないことは、むしろテーマパークというビジネスモデルに脆弱性があると認識されたのかもしれない。
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