「この会社で働きたい」「成長したい」という強い意欲や動機付けは、社会心理学では「動機付け」(Motivation)や「組織コミットメント」(Organizational Commitment)といった概念と深く関連し、具体的な行動を実行し、その行動を持続させる心理状態につながります。社会心理学ではこれを「行動意図」(Intention)と呼びます。
行動意図の重要性を説いた社会心理学者のイセク・アズゼン博士は、計画的行動理論(Theory of Planned Behavior:TPB)の中で、以下の3つの要因の重要性を指摘しました。
これら3つの要因を採用時に大切にすることは、「未来の仲間」を作る上で極めて重要です。特に、知覚された行動のコントロール感(PBC)=「自分にはできる」と信じられれば、困難な状況に遭遇しても、「何とか乗り越えよう!」という意識が強くなります。
とはいえ、一人きりでがんばるのはしんどいし、限界もある。だからこその「COMPANY=共にパンを食べる仲間」なのです。
お互いに信頼し、敬意を示し、共感する。それを実現するには、最初の一歩である「就職活動」は極めて重要です。採用する過程は、自分たちの組織に適応できる人物かどうか、相性の良い相手かどうかを見極める重要な機会であるとともに、組織の一員として迎え入れるべく、組織社会化の教育を行う大切な時間でもあります。
「就職先を志願する」ということは、人生の中で最も重みのある大切な行為の一つです。たとえその先に転職することがあろうとも、最初に就いた仕事は、その後のキャリアに大きな影響を及ぼすため、重要な道標でもあります。
そんな大切な行事に”とりあえず”は軽すぎます。うまく働けない若手社員や、彼ら・彼女らの教育に苦悩する管理職たちも、「とりあえず思考」なるものが一因になっているのではないでしょうか。
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)、『他人の足を引っぱる男たち』(日経プレミアシリーズ)、『定年後からの孤独入門』(SB新書)、『コロナショックと昭和おじさん社会』(日経プレミアシリーズ)『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』(プレジデント社)、『40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか - 中年以降のキャリア論 -』(ワニブックスPLUS新書)、『働かないニッポン』 (日経プレミアシリーズ) 、『伝えてスッキリ! 魔法の言葉』(きずな出版)など。
新刊『「老害」と呼ばれたくない私たち 大人が尊重されない時代のミドル社員の新しい働き方』(日経BP 日本経済新聞出版)発売中。
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