タレントマネジメント市場で勝ち残るには、SaaSだけでは足りない。芹澤氏はそう考え、人事コンサルティング事業への本格進出を決めた。
「人と組織にまつわることは『誰が言ったか』が非常に重要な世界だ」と芹澤氏。「制度を変える時、社内の人が言うのか社外の人から言われるのかでは、結構違う」。評価制度の改定、組織再編、人員配置の見直し。システムが提案しても経営層は動かない。外部の専門家が「御社にはこの制度が必要です」と進言して初めて動くケースは多い。
SmartHRは6月、2030年に売り上げ1000億円を目指す事業戦略を発表した。内訳はSaaS事業で860億円、SaaS以外で140億円。後者の中核が人事コンサルティングとBPO(業務プロセス外注)だ。
SaaSでデータを集め、コンサルタントがそのデータを武器に制度設計や組織改革を提案する。コンサルの成果はシステムに実装され、新たなデータが蓄積される。SaaSとコンサルを循環させるモデルだ。「人事のコンサルにおいて人が出すべき価値を、強化するための、SaaSとしての価値は何か。逆算して考えると答えは見えてくる」と芹澤氏。
競合も動いている。カオナビは人的資本経営の導入支援を展開。タレントパレットは経営戦略と人事戦略の連動を可視化するコンサル機能を強化している。「これができるサービスが生き残ると思う」。芹澤氏の言葉には、SaaS単体での競争から一歩先を見据えた覚悟がにじんだ。
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