SaaSだけでは勝てない──SmartHR社長が語る タレントマネジメント市場、生き残りの突破口(2/4 ページ)

» 2025年12月26日 08時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

「入れたけど使えない」の正体

 タレントマネジメントはなぜ活用されないのか。調査データは課題の深刻さを示している。

 SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」の調査によると、導入後に「課題に直面した」企業は62%。主な要因は「操作性が悪く現場に浸透しなかった」「データ更新が徹底されず情報が古くなった」「既存システムとの併用でデータが分散した」といったものだ。

sh タレントマネジメントシステム導入後に直面した課題・問題(「BOXIL SaaS」の調査結果より引用)

 HR総研の調査では、利用目的の多くが「人事情報の一元管理」にとどまり、「人材配置の最適化」「離職防止」「後継者育成」など戦略的活用ができている企業は2〜3割に過ぎないとされている。「これは当社のタレントマネジメントでも同じ」と芹澤氏は率直に認める。

sh タレントマネジメントはなぜ活用されないのか 芹澤氏の見解は?

 背景には複合的な要因がある。一つはデータの散在だ。基本情報は基幹システム、評価はExcel、研修履歴は紙ファイルなど、データが分散している。運用設計が不足しているため、どのデータを誰が見て、どう意思決定に使うのか。現場はそもそもの使い方が分からない状態だ。

 そこには日本企業特有の構造もある。「人と組織のデータは体系的に整備されていない。センシティブなのでアクセスできる人が限られる」と芹澤氏。「多くの場合、人事か一部のトップしかデータを見てタレントマネジメント的な施策ができていない」

 人事データは「人事部の特権」。現場マネジャーが自部署の状況を把握したくても、アクセス手段がないのが現状だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR