この記事は、『科学的根拠で 先延ばしグセをなくす』(ニルス・ソルツゲバー著、弓場隆訳、かんき出版)に掲載された内容に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
先延ばしグセの本質は「快楽」(アメ)を求めて「嫌なこと」(ムチ)から逃げようとする脳の作用にあるという。著述家のニルス・ソルツゲバー氏は「脳の行動原理が分かれば、アメとムチを利用して、先延ばしグセは手なずけられる」と言う。ソルツゲバー氏が執筆した『科学的根拠で 先延ばしグセをなくす』より、アメとムチを利用した3つの先延ばし防止方法について解説する。
あなたの脳の中にはサルがいる。もちろん本物のサルではない。サルとは、気分がよくなるもの=アメを追い求め、気分が悪くなるもの=ムチを避けようとする行動原理で機能している脳の作用だ。
この脳の作用は人によって強度が異なる。言い換えると、言うことをよく聞くおとなしいサルに恵まれている人もいれば、つねに猛威を振るうサルに悩まされている人もいるということだ。
したがって、先延ばしグセのある人はサルに支配されていることになる。脳の中のサルは、あなたの未来のことなど一切気に掛けていない。サルが気に掛けているのは「どうすれば今この瞬間に気分がよくなるか」ということだけである。
脳が理性的に働くなら、将来、より長く、より健康で、よりエネルギッシュに生きるために定期的に運動したいと思っているはずだ。将来、大きな成功を手にするために日々の瞑想を実践したいと思うはずだ。生産的になって期日までに仕事をやり遂げ、将来の成功に向けた土台づくりをしたいと思うはずだ。
一方、サルはあなたの未来の成果にはまったく関心がない。あなたの将来に対する希望には理解を示さず、すぐに欲求を満たすことにしか興味がない。だから少しでも面倒なことや困難なことをしようとすると、たとえ将来いい状況をもたらすことであっても、サルは反抗する。そして、気分が悪くなることから逃げて、気分がよくなることをしようと駆り立てる。
要するに、これこそが先延ばしグセの本質なのだ。
しかし、サルの基本的な行動原理が分かった今は、報酬(アメ)と罰則(ムチ)をうまく使ってサルを手なずけることができる。効果的な方法は、ポジティブな活動に対してすぐに報酬を与え、ネガティブな活動に対してすぐに罰則を科すことだ。それをすぐに実行すればいい。
つまり、瞑想や運動、仕事がもたらす効果を待つのではなく、それを短期的に満足できるものにすればいい。先延ばしグセの悪影響を待つのではなく、先延ばしグセの代償を即座に払うのだ。ここからは、実践に生かすための具体的な秘訣を紹介する。
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