学研が挑む"真のDX"──「本当に使われるデジタル」で目指す教育価値のバリューアップ
【開催期間】2026年1月27日(火)〜2月25日(水)
【視聴】無料
【視聴方法】こちらより事前登録
【概要】学研グループは、DXを目的化するのではなく、現場と顧客にとって“本当に使われるデジタル”を出発点に教育価値のアップデートに挑戦しています。本講演では、現場で浮き彫りになった課題や、実際に行ってきた改善や仕組みづくり、そこで得られた知見がどのように学研のDX推進を形づくんできたのかをお伝えします。既存のデジタル活用の成果と学びを振り返りながら、学研が目指す“真のDX”の姿をご紹介します。
「日立が変わってきた」──日立製作所の阿部淳副社長はこう話す。
「デジタル収益比率8割」「営業利益率20%」──かつての日立であれば、見通しの立たない数字を対外的に公表することはなかっただろう。
新経営計画「Inspire 2027」で掲げた高い目標は、日立の企業文化が「堅実」から「挑戦」へと変わった証でもある。デジタル化による伸びしろが大きいOT(制御)領域を攻め、日立グループのデジタルエンジニアリング企業である米GlobalLogicや海外拠点と一体となってゴールを目指す──。
OT、IT、プロダクトの全領域を渡り歩き、数々の組織統合を現場で指揮してきた阿部副社長に複数回にわたりインタビューしてきた。
第1回:日立・阿部副社長に聞く“最高益”更新の舞台裏 巨額赤字から組織を復活させた変革とは?
第2回:日立・阿部副社長に聞くフィジカルAIの展望 20兆円市場と「暗黙知の継承」
第3回:日立・阿部副社長が語る、フィジカルAIと「現場の誇り」 ベテランの“背中”はAIが教える
今回は、組織論に焦点を当てる。28万人を擁する日立の部門や国境の壁、そして心理的な壁をいかにして乗り越え、巨大組織のサイロ(縦割り)を壊し、「One Hitachi」へとまとめ上げているのか。その極意は、意外にも身近な共通言語にあった。
阿部淳(あべ・じゅん)1984年、日立製作所入社。 ITソフトウェア開発に従事したのち、データストレージやクラウドなどのサービスプラットフォーム部門で事業責任者を歴任。大みか事業所長を経て、2018年4月に産業・流通ビジネスユニットCEOを務めた。2024年4月に代表執行役 執行役副社長。2025年4月よりデジタルシステム&サービス(DSS)の事業責任者。1961年生まれ。宮城県出身(以下撮影:河嶌太郎)――新経営計画「Inspire 2027」では、デジタル収益比率である「Lumada(ルマーダ)比率」を8割まで高め、営業利益率も20%を目指すと掲げています。かなり高い目標ですが、達成への手応えはいかがでしょうか。
今までの日立なら、見通しが立っていない未来のことを外に向かって言うことはまずなかったと思います。それをあえて掲げた意味は大きいですね。「本当に見えているのか?」という質問に対しては、正直に言うと、今の段階で完全に見えているわけではありません。
とはいえ、デジタルシステム&サービスセクター(DSS)としては、足元で既にデジタル比率が6割を超えています。グループ全体としても「2027年度に50%」という目標に向けては計画通りに進んでいると見ています。その先の8割という水準は、まだ見通しが立っているとは言えませんが、一方でOTセクター、つまりプロダクトの周辺にはデジタル化による伸び代が多くあります。
これは世界的に見ても同じ状況だと思いますし、その中で当社は「インフラ×デジタル」の領域で強みを持てるポジションにあります。そこに、德永俊昭社長のスピード感で投資し、ビジネスを作る。目標をまずビシッと決めて、そこに向かって全社で走る。このスタイル自体が、日立という会社が変わってきた象徴だとも感じています。
昔の私たちは「着実に、堅実に」が基本でした。それは今でも大切な価値観ですし、間違ってはいけない領域が多いのも事実です。ただ、新しいビジネスを創出する、全く新しいことをやるというのは、最終的には「どれだけ早くゴールにたどり着くか」の勝負です。間違いを許容しないと、軌道修正ができません。だからこそ、意思決定を早くして、必要ならピボットしながらゴールに近づいていく。そのゴールを社長がしっかり示すようになりました。
そういう意味で、企業カルチャーは少しずつ確実に変わってきています。あまり表に派手に出る話ではないかもしれませんが、内側から見ると大きな変化だと感じています。
――阿部副社長は日立で、OT、IT、プロダクトの全ての領域を経験し、組織の垣根や買収後の統合作業にも深く関わってきました。サイロをなくし、組織を良い方向に変えていく上で、何が大事だとお考えですか。
日立の中だけを見ても、事業の種類が非常に多いですよね。とにかく多様です。私自身、制御の事業にいたこともあれば、エレベーターや家電の方面にいたこともあります。行く前は「壁が高い」と感じていた組織も、実際に中に入ってみると、「あれ、向こう側から見ると、こっちのほうが壁が高いんだな」と気付くことも多かったわけです。やはり、行ってみないと分からないことがたくさんあるのだと実感しました。
そこで一番強く感じたのは、「相手の立場で考えること」がとても大事だということです。私が入社した当時、配属はソフトウェア事業部でした。それが、1カ月ほどコンピューター教育を受けた後、「阿部くん、茨城に2年間行ってきて」と言われ、家電の現場に出されたんです。ひたちなか市にあるVHS(ビデオ・ホーム・システム)やベータのビデオデッキを作っていた工場に配属されました。そこで何をしていたかというと、ソフトウェア事業部が作ったメインフレームの製品やサービスを「使う側の立場」で仕事をしていたんです。
つまり、まず先にユーザーの立場でソフトを見て「ここは良いけど、これは何とかならないか」と感じる経験をしてから、再び製品を作る側に戻りました。これは自分の会社人生にとって非常に大きな経験でした。顧客視点で物事を見ることが、最初の段階で身についたからです。
――その経験を通じて、当時どんなことを感じましたか。
行く前は正直、抵抗がありました。同期よりソフトウェアの開発経験が遅れてしまうと思っていましたから。でも、今振り返ると、あの経験は本当に良かったと思っています。相手が何を望んでいるのか、逆に何をされたら困るのか、障害が起きたときの焦燥感はどんなものなのか。そういった感覚を持てたことは、その後の仕事でも大きな財産になりました。
この「相手の状況を想像する」感覚は、社内でも全く同じです。プロダクト側から見たときにデジタルがどう見えるか、デジタル側からプロダクトがどう見えるか。日本側から見た海外、海外側から見た日本。実際に両方を経験してみると、意外と一緒だと感じることが多いんです。笑うポイントも似ているし、悩みも近い。だからこそ、相手の立場に立って考える、というのは組織の壁を超える上で、非常に重要な要素だと感じています。
先日ルーマニアに行ったときも、タウンホールミーティングでスピーチをする場がありました。最初にルーマニア語で「こんにちは」とあいさつしてから、「自分の世代にとって、ルーマニアといえば(体操選手の)ナディア・コマネチはとても有名な存在なんだ」と話をしたんですね。そうしたちょっとした共通の話題から場が和んでいきました。
結局のところ、仕事もそうですが、お互いを理解し合うことが大事なのだと思います。それは日本人同士でも、GlobalLogicと日立でも、エンジニアと経営陣でも同じです。相手への信頼感と、相手の立場で考える姿勢がなければ、協創は成り立ちません。一緒に何かをやろうと思ったら、相互尊重が必要です。
パートナー会社の幹部によっては、「きょう日本に行くんだけど、夜空いてる?」と直接メールをくれて、たまたま空いていたので2人で食事をしたこともあります。そういう関係性があるからこそ、難しいテーマでも一緒に前に進めていけます。組織変革や統合を進める上で、一番のベースになるのは、やはりこの「相手の立場で考え、信頼を築く」姿勢だと考えています。
【イベント情報】学研が挑む"真のDX"
学研グループは、DXを目的化するのではなく、現場と顧客にとって“本当に使われるデジタル”を出発点に教育価値のアップデートに挑戦しています。本講演では、現場で浮き彫りになった課題や、実際に行ってきた改善や仕組みづくり、そこで得られた知見がどのように学研のDX推進を形づくんできたのかをお伝えします。既存のデジタル活用の成果と学びを振り返りながら、学研が目指す“真のDX”の姿をご紹介します。
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