生成AIの回答は「様式指定」でここまで変わる 言語学者が教えるプロンプトの基本(1/3 ページ)

» 2026年01月21日 08時00分 公開
[佐野大樹ITmedia]

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この記事は、佐野大樹氏の著書『生成AIスキルとしての言語学 誰もが「AIと話す」時代におけるヒトとテクノロジーをつなぐ言葉の入門書』(かんき出版、2024年)に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。


 生成AIをより使いこなすなら、「様式の指定」をプロンプトに含めることを考えよう。Googleで生成AIの開発に従事する言語学者の佐野大樹氏は、「文体や形式、発表媒体、ジャンルといった『言葉の様式』を指定することによって、生成AIの表現・構成力を引き出すことができる」という。

 佐野氏が執筆した『生成AIスキルとしての言語学』より、「言葉の様式」にはどんなものがあるか、またその指定が生成AIに与える影響について解説する。

生成AIの回答は「様式指定」でここまで変わる。写真はイメージ(ゲッティイメージズ)

「様式の選択」をプロンプトに含める

 本記事では、「様式(文体、会話や文章の形式、媒体、ジャンルなど)」の選択が、生成AIの回答にどのような影響を与えるか、詳しく見ていきます。様式の選択を生成AIに伝えることで、生成AIの表現・構成力を引き出すことができます。

 まずは、言葉の様式と言ったときに、どのような種類や選択肢があるのかについて、言語学的立場から見ていきます。

 その後、生成AIとの対話において、様式の選択をプロンプトに含めることが、生成AIの回答にどのような影響を与えるかを説明します。

 言語学ではさまざまな観点から言葉の様式について捉えますが、大まかには、次の4つが、言葉の様式の種類として挙げられます。

(1)文体・スタイル:「話し言葉らしい」「ですます調」など

(2)形式:「箇条書き」「表」など

(3)媒体:「新聞」「ブログ」「書籍」など

(4)ジャンル:「物語」「報告書」「論説文」など

 それぞれの観点から、言葉の様式にどのような選択肢があるのかを見ていきましょう。

「文体」「スタイル」「形式」の選択肢

 文体・スタイルの選択肢としては、例えば、次のようなものが挙げられます。

 まず、話し言葉らしいか、書き言葉らしいかという選択があります。

 人と人との対話では、コミュニケーションをするのに音声を使うか、文字を使うかとは別に、話し言葉らしく書く場合もあれば、書き言葉らしく話す場合もあります。

 例えば、漫画のセリフなどは、文字によって表された書き言葉ですが、登場人物の会話を描くシーンでは、話し言葉らしい表現を使ってセリフが書かれています。

 次に、「フォーマル」か「カジュアル」(いろいろなレベルのフォーマルさやカジュアルさがありますが)か、「丁寧体」か「普通体」か、「ですます調」か「である調」かといった、スタイルの選択があります。

 スタイルの選択によって、文末表現だったり、敬語の使用の有無だったり、会話や文章のトーンが変わってきます。

 言葉の形式には、表、箇条書き、リスト、番号付きリスト、タイムライン(年表やスケジュール)などさまざまあります。

 このような形式は、複雑な内容を理解しやすいように整理したり、参照しやすくしたりするために利用されます。

 表は、列と行とで情報を整理します。一般的に、行には項目とその値を入れて、列には種類や属性などを表すことで情報をまとめます。

 箇条書き、リスト、番号付きリストは、文章の要点を整理したり、複数のポイントがある情報を、 分かりやすく読みやすい方法で提示したりします。順序関係や、いくつの要点があるのかが重要な場合に、番号付きリストを使ったりします。

 年表やスケジュールなどのタイムラインは、時間の流れに沿って、出来事の順番や関係を視覚的に表示します。

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