金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
日本のキャッシュレス決済比率が50%を超え、コンビニや大手飲食チェーンでの普及は一巡した。次の主戦場は全国400万の中小事業者である。三井住友カードは1月21日、世界最大のフィンテック企業である米Fiserv(ファイサーブ)との戦略的業務提携を発表した。
Fiservは中小事業者向け決済・店舗DXサービス「Clover」を日本で初めて展開する。決済端末の導入にとどまらず、店舗運営から資金繰りまでを一元管理する「真のオールインワン」で、キャッシュレス後半戦に挑む。
日本のキャッシュレス決済比率は2024年に42.8%に達し、政府目標の「2025年までに40%」を前倒しで達成した。Visaによると、クレジットカードのタッチ決済比率は59%を超え、都市部のコンビニでは決済の9割がキャッシュレスという店舗も珍しくない。
しかし、この数字には偏りがある。大手チェーンやコンビニ、ファストフードでは普及が一巡した一方、個人経営の飲食店や小売店ではいまだに「現金のみ」の看板が目立つ。経済産業省の統計によれば、日本には400万弱の中小事業者が存在し、その半数近くが飲食・小売といった店舗商売を営む。キャッシュレス化の「ラストワンマイル」は、まさにここにある。
三井住友カードの大西幸彦社長は発表会で「キャッシュレスが50%を超えて使ってもらえるためには、どこでも使える環境が非常に重要だ」と語った。大手チェーンで使えるのは当たり前。問題は、地方の居酒屋や商店街の八百屋でも使えるかどうかである。
カード会社にとって、中小店舗の開拓は長年の課題だった。端末導入のコスト、加盟店手数料への抵抗感、そして何より「うちには関係ない」という意識の壁。これを突破しなければ、日本のキャッシュレス比率は頭打ちになる。三井住友カードがFiservと組んだ背景には、この危機感がある。
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