金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
わずか4年で決済の風景が一変した。東京オリンピックを契機に、世界標準であるタッチ決済をVisaが日本で強力に推進し始めてから、非接触決済手段は大きく切り替わった。Visaの対面決済におけるタッチ決済比率は13%から45%へ、そして2025年3月には52%へと急上昇している。発行カード数は1億5000万枚に達した。
その一方で、長らく日本の非接触決済を支えてきたiDやQUICPayからは、特にプラスチックカードで撤退が相次いでいる。SBI新生銀行グループの中堅クレジットカード・信販会社アプラス(大阪市)は、2024年7月末でプラスチックカードでのQUICPayサービスを完全終了。三井住友カードは2025年7月以降の新カードからiD機能を削除する方針を打ち出した。ゆうちょ銀行も新規発行でのiD搭載を順次終了している。
Visaワールドワイド・ジャパンのシータン・キトニー社長は6月のメディアブリーフィングで「個人的には近い将来、日本で90%台後半を目指したい」と野心的な目標を語った。タッチ決済の爆発的普及と従来技術の退場が同時進行する中、日本の非接触決済インフラはどこに向かうのか。
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