ここで、筆者の過去の記事をもう一度振り返ってみたいと思います。
以前、筆者は「自治体手続きの案内」について、生成AIを活用して利用者の理解度に応じて情報を整理するというアイデアを紹介しました(関連記事)。
この時は、市民に向けた自治体手続きの案内でしたが、今回、同様の手法を庁内職員向けの業務マニュアルや手順書の作成にも活用できるのではないかと考えました。
さらに、その手順書の書き方にはエージェントスキルの記法を応用できるのではないか、と思い至りました。
筆者の想像する未来の自治体では、人間もAIも同じ手順書を参照して、協調して業務を進めるようになるだろうと考えているので、少しだけ未来を先取りしてみることにします。
つい先日、OpenAIがCodexのデスクトップ版アプリをリリースしました(プレスリリース)。Codexはプログラミングコードを書くのをサポートしてくれるAIです。自然言語で指示を出すと、コードを生成してくれます。
まだmacOS版のみのリリースですが、おそらくWindows対応のアプリもリリースされるでしょう。そこで、このCodexアプリを使って、筆者が作成したエージェントスキルを使って作業をさせてみることにしましょう。
今回筆者が作成したエージェントスキルは、document-generatorというものです。スキルファイルをGitHubで公開しておきます。
では、実際に使ってみましょう。
これをZip形式でダウンロードし、ファイル名を「document-generator.zip」 に変更しておきます。
Codexアプリを起動し、ここからはCodexと会話しながら作業を進めていきます。最初は筆者もどうしていいのかが分からなかったので、Codexにそのまま、
「スキルをインストールしたい。すでにスキルを作成していて、Zipファイルで準備してあります」
――とメッセージを送りました。
すると、Codexが指定した場所に置いてあるZipファイルを見つけ出し、それを自分でインストールし、スキルが使えるようになるまでのセットアップを自動的に進めてくれました。
そこから先は、流れるように作業が進み、Codexからの質問に答えつつ、足りない資料をアップロードして読み込ませ、最終的にはWord形式の文書を作成しダウンロードできるところまで作業を進めてくれました。
筆者が試した時点では、まだCodexに直接ファイルをアップロードすることはできず、あらかじめ読み込ませたいファイルを任意の場所に置いておき、その場所をCodexに教えることで読み込ませる、という手順になりました。
驚いたのは、筆者がアップロードした追加資料はPDFやWordファイルであったにもかかわらず、Codexがそれらを読み込むためのプログラムを自ら生成・実行し、作業を着実に進めていった点です。おそらく生成させるファイルをPDF形式にするよう要求したら、Codexは自らPDF形式でファイルを出力するプログラムを自分で書き始めるのでしょう。
つまり、AIエージェントは目的達成のために複数の方法を自分で試行錯誤し、成功するまで取り組み続けたのです。「自律的に動作する」とは、まさにこうした動きを指すのだと再認識しました。
今回はCodexアプリを利用しましたが、エージェントスキル自体はそれを取り入れている他のAIサービスにもインストール可能です。そのため、誰かが作成したスキル同士を自由に組み合わせて、自分に合った形で作業を進めることができます。
また、SKILL.mdの記述を修正するだけでスキルの内容を柔軟に改善できる点も特徴です。これは、自治体職員が自身の業務内容を言語化し共有するだけでなく、それをすぐに実務で活用できる環境が整いつつあることを意味しています。
今後の自治体の業務説明やマニュアル作成も、このエージェントスキル形式で業務説明やマニュアルを整理していくことで、属人化しがちな業務知識を、職員同士、さらにはAIとも共有できるようになるのではないかと、真面目に考えています。
次回は、筆者が取り組んでいるAIエージェントの仕組みについて紹介したいと思います。
Word文書の編集を「半自動化」! Copilot365「エージェントモード」プロンプト作成の5つのポイント
答弁案の作成は“デジタル部下”に任せる――自治体業務は「AIエージェント」でどう変わるのか?
実は違う!? 「AIエージェント」と「エージェント型AI」 今のうちに知っておきたい使い分けCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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